【マンガの感想】『北北西に曇と往け①』『さめない街の喫茶店①』『ロマンス暴風域①』『あれよ星屑⑥』
目次
入江亜紀『北北西に曇と往け①』
舞台はアイスランド島、北緯64度のランズ・エンド。
17歳の主人公・御山慧には3つの秘密があった。
ひとつ、クルマと話ができる。ふたつ、美人な女の子が苦手。
3つ、その職業は、探偵――。
あるときは逃げ出した飼い犬を連れ戻し、
またあるときはひと目ぼれの相手を探し出す。
愛車ジムニーを駆りながら、
胸のすくような探偵活劇が、いま始まる!
若き魔法使いの成長を描いた『乱と灰色の世界』から2年。入江亜季の最新作は極北の大地が舞台の“エブリデイ・ワンダー”!!amazonのあらすじ
絵が、相変わらずとてつもなくお上手でため息がでるほど。
出てくるキャラはイケメン、美人、イケオジって感じで、とくにオジサンキャラが粋で色っぽくていい。あと『乱と灰色の世界』もそうだったけど、イチャイチャ描写がいい。
アイスランドが舞台で、湿地とか荒原とかの風景が、なんだか空が高くて、爽快。
主人公の慧は探偵で、一巻前半を読む限りでは、ちょっといい話が続くのかなと思ったのだけど、後半は殺人容疑で追われてる弟の登場で一気に緊張感が。
次巻も気になる。
はしゃ『さめない街の喫茶店①』
ある日突然、眠りから目覚めることができなくなったスズメは、「ルテティア」という“さめない街”に迷い込み、喫茶店「キャトル」で働くことに。
いったいなぜ目覚めなくなってしまったのか、美味しい喫茶メニューと魅力的な夢の住人たちとともにひも解いていく、新感覚のグルメファンタジー。
新進気鋭の人気作家、商業初の単行本。amazonのあらすじ
眠りから目覚めることがなくなったという設定部分が、未だに謎なんだけど、ずっとこの世界で暮らしてくれちゃっていんじゃないかと思うほど、日常パートがまったりしてていい。
鯨便などまだまだ説明されてない要素も多いので、この後設定が少しずつ明らかになっていく感じなのかな。
あらすじでは『グルメファンタジー』とあるけど、食べた感想などあっさりしてて、むしろ作るほうにスポットがあたってる作品。主人公も作る人。
たしかに主題はグルメなんだけど、力が入りすぎてなくて、すごくお洒落。
BRUTUS読んでるみたいな。
もちろん料理の絵は美味しそうなんだけど、ぎとぎと感がなくて、想像力を刺激される感じで昔読んだ児童書を思い出す。
鳥飼茜『ロマンス暴風域①』
高校の臨時教員であるサトミンは、講師の契約期限は迫り学生時代に付き合った彼女と別れて以降独り身が続いている。しかも婚活では非正規職であることを理由に相手にされず、恋愛に対して自信を喪失中。しかし、気分転換に行った風俗で出会ったせりかに、お金や肩書など関係ない“運命の出会い”を感じる。客と風俗嬢の関係からスタートした2人の仲は接近していき……。
肩書、年齢、男性であること――。目を背けることのできない現実に惑う主人公が求める、真実の愛とはなにか。“恋愛弱者のロマンス”ここに開幕!amazonのあらすじ
恋愛弱者では済まない何かだったよね。
いやー、面白いんだけど、正直きつかった。
なぜだろう、男性目線が少ししんどいのかな。
『地獄のガールフレンド』も『おんなのいえ』も男女の抜き差しならないリアルな感じが、刺さって好きなんだけど、今回の男性主人公はちょっとしんどかった。
とくに一巻最後の方の主人公の行動が、わりと怖かった……。凸ってね。
多分タイミングの問題で、いまはこういう繊細な作品を読むと刺さり過ぎるのかもしれない。ファンタジーが読みたい理由もそこにあるのかも。
何かに向き合いたくなったら、続編読みたい。
山田参助『あれよ星屑⑥』
兄と自分を戦場へ送り出した父親の死、川島徳太郎は誰にも何も告げることなく、ひとり旅へ出るが……。戦後日本の“生”と“性”を活写する話題作、物語は静かなるクライマックスへ向かう……。
amazonのあらすじ
なんと次巻が最終回!
前半は割と笑える展開。
カンナ泉が出てくると場面がぱっと明るくなる。
さすがに、スミちゃんに乳バンド見せるわけにはいかないよね。
後半は、徳太郎と門松で亡くなった隊員の遺族を訪ねてまわる。その先で、隊員の奥さんに会ったりするんだけどそれぞれ事情があって、なかなか世知辛いというか……。